※このページの内容は、キャリアパスポートⅰ(2019年3月1日発行)より、17-18ページの内容を抜粋したものです。

アルバイトでキャリアを磨く

アルバイトは単に収入を得るだけではなく、大学・学校では得られない貴重な体験と知識や技術を身につけることができます。キャリアアップに繋がるアルバイトを考えよう。

アルバイトを始める前に

これからアルバイトを始めようとしている人も、既にアルバイトを始めている人も、「なぜアルバイトをする必要があるのか?」をもう一度考えてみてください。アルバイトをする理由は、大きく2つに大別されるのではないでしょうか?

①生活費などの収入を補うため
②新しい知識や人脈を得る、実務経験を積むなど、自分自身のキャリアアップのため

もしも、①の理由だけでアルバイトをすると、アルバイト自体が苦になって長続きしなくなってしまう原因になりかねません。学生という貴重な時間を切り売りするようなアルバイトは避けるべきです。折角、アルバイトという社会体験をするのですから、収入を得ると同時に、自分自身の成長に繋がるようなアルバイトを選びましょう。

目的意識を持ってアルバイトをする

アルバイトでキャリアを磨くためには、アルバイトを通して自分が何を身につけたいか、身につけられるかを考えることが大切です。同じアルバイトでも、目的意識の有無によってキャリアになったりならなかったりするものです。

大学・学校には成長するためのプログラムが用意されていますが、アルバイトは自ら成長プログラムを組み立てなければなりません。将来、就職したときにも、仕事を通じて自分を成長させ、社会に貢献するという意識が求められます。その意識が仕事の成果を高め、仕事を面白いものにしていくのです。アルバイトはその準備でもあります。

目的意識を持ってアルバイトに取り組んでいけば、大学生活では得られない貴重な体験とスキルを身につけることができるはすです。もちろん、学業に悪影響を与えてしまっては本末転倒ですから、学業と両立することを優先しましょう。

アルバイトを通して、どのように自分を成長させたいですか?
アルバイトは、業務に関する知識・スキルの習得だけでなく、ビジネスマナーや対人スキル、主体性、責任感、行動力、実行力、忍耐力、チームワークなど、幅広く実践的な力を磨くことができます。

まずは、アルバイトで活かしたい自分の強みと、今は不十分だけれどもアルバイトを通じて獲得したい力を考えてみましょう。

アルバイトの選び方

アルバイトで活かしたい自分の強みとアルバイトを通じて獲得したい力を明確にしたら、それを実現できるアルバイトを探してみましょう。

但し、本当に実現できるかどうかは、業種・職種だけでなく、アルバイト先の企業や人に拠るところが大きく、実際にやってみなければわかりません。「人と接する仕事」、「チームで行う仕事」、「長期間働ける仕事」というように条件を広くして、自分の興味・関心に合わせて選びましょう。

自分自身の成長に繋がりそうなアルバイトを選ぼう
一般的に、アルバイトは業職種で分類されています。以下はよくあるアルバイトの例です。この中から、 自分の成長に繋がりそうで、且つ興味・関心があるものをチェックしてみましょう。

  • 販売
    • コンビニ、スーパー、ドラッグストア、アパレル、書店・本屋
    • 家電量販店、ホームセンター、スマートフォン販売
  • 飲食/フード
    • ファミレス・レストラン、居酒屋、ファーストフード
    • カフェ・喫茶店、回転寿司、宅配・デリバリー、弁当屋
  • 接客/サービス
    • 警備・交通誘導、清掃員、ガソリンスタンド、チラシ配り
    • ブライダル・セレモニー、コールセンター
  • レジャー/エンターテイメント
    • イベントスタッフ、カラオケ・アミューズメントスタッフ
    • コンサートスタッフ、スポーツインストラクター
    • ホテルスタッフ、キャディー(ゴルフ場)、スキー場
  • 調査/アンケート
    • アンケート・モニター、市場調査、交通量調査
  • 教育
    • 塾講師、家庭教師、保育所・託児所、パソコンインストラクター
  • 物流/配送
    • 運送・配達・配送、ドライバー助手、バイク便、新聞配達
    • 仕分け、引越
  • 製造・軽作業
    • 商品管理、検品、商品管理、梱包、食品製造・加工
  • IT/コンピュータ/事務
    • データ入力、PCオペレーター、IT・インターネット・広告
    • ソフトウェア・情報処理、一般事務
  • 医療/介護/福祉
    • 介護スタッフ、看護助手
    • ホームヘルパー、老人ホーム、デイサービス
  • マスコミ/出版
    • 印刷・製本、校正、カメラマン、ビデオ撮影・編集、広告

アルバイトの応募をする前に、アルバイトと勉学を両立させるため、次のポイントについてはしっかり確認しましょう。
①働く時間帯
平日の深夜など、学業に影響を及ぼす時間帯は避けましょう。
②シフトの融通がきくこと
試験期間や夏休みなど、学生の予定は時期によって大きく変わります。できるだけシフトの変更が可能なアルバイトを選びましょう。
③通勤時間
長期間働くほど、通勤にかかる時間の影響が大きくなります。通いやすさも考慮しましょう。

アルバイト・ボランティアの成果を高めるために 〜PDCA サイクル〜

仕事を通じて自らを成長させようとする意識さえあれば、どんな仕事であっても自分自身の成長に繋がります。一方、自らを成長させる意識を持っていない人は、どんなに転職を繰り返しても仕事にやり甲斐を感じたり、充実感を得たりすることはできないでしょう。

アルバイトの中にも、飛躍的な成長ができる多くのチャンスがあるはずです。そのチャンスを最大限に生かすためには、PDCA サイクルを意識的に実践することが不可欠です。

PDCA サイクルのなかで特に重要なのは、仕事の結果のCheck(評価)と、次回の仕事をより向上させるためのAction(改善)がある点です。このCheckとActionによって、仕事の経験を重ねる度に、徐々に高い成果を上げられる=自分を成長させることができます。その結果、第三者による評価も高くなっていきます。

やり甲斐のある仕事とは、成長が実感できる仕事に他なりません。PDCAサイクルを実践して、持続的に成長していってください。