Vol.8 合同会社beauty salon W
合同会社beauty salon W
- 社員の特徴を表すキーワード:プロ意識、技術力
- 会社のビジョンを表すキーワード:流行発信、地元に最先端の流行を
- 入社して欲しい人に期待するキーワード:自発力、素直
代表 上野 有紀 氏
プロフィール
美容専門学校卒業後、大阪の有名サロンに7年間勤め、芸能人やモデルのヘアメイクを担当する傍ら、アイリストとして月に150名ものお客様の担当。その後、1年半の自宅サロンを経て、beauty saloon WをOPEN。
上野さんは、地元である兵庫県の三田市に店舗を構えてビューティーサロンを経営している。共に働く人への想い、生まれ育った三田市への想いが人一倍強いことから、地域に根ざした今後の事業の多角化を期待させる。
─ 今に至る経緯について教えて下さい
メイクの仕事がしたかった
高校の時にメイクに興味があって、美容の道に進むなら美容師免許をとれる美容学校へと進学しました。しかしながら美容師になりたかったのではなく、メイク系の仕事がしたいことでした。就職はメイクもできる大阪の有名サロンを選びました。当時はメイクを行う美容室はほとんどなくて、入った美容室でもメイクの仕事が毎日あるわけではありませんでした。メイクへの取り組みは会社の方針にも合致していたので、メイクができるようになる教育プログラムを作ったり、まつげエクステに取り組んだりと、徐々にしたいことを実現していった感じです。5、6年立った時に、もうここにいてもしたいことはこれ以上広げられない、でも他に就職しても同じだろうと考えました。結果的に実家にもどって自宅サロンを開業したのですが、このままでいいのかと思い至り、今のサロンを開業することになりました。
─ よく思い切りましたね
楽観的にどうにかなるって思って
お店の場所代のことなど考えると高単価になることでお客さんも減ることを覚悟しました。でも自宅サロンの営業で集客もできてお客さんもついてくれたので「どうにかなる」と楽観的に考えて起業しました。技術力に対する自信もあったしこの地域でまつげエクステをしているサロンなかったので、きっといけると判断したのです。
─ 起業当初はいかがでしたか
以前の職場で一緒に働いていた後輩と始めました
店舗オープンに際しては、人をどうしようかと思いました。誰かを雇わなければお店が回りません。思い出したのが、以前の勤め先で一緒に仕事をしていたネイリストの後輩でした。地元が同じなのです。ちょうどタイミングよく彼女から連絡があって、一緒に食事することになりました。彼女の相談に乗るなかで一緒にやってみようということになり、彼女との二人三脚でお店をスタートしました。残念ながら今は彼女とは別々になりましたが、経営の基礎を一緒に作ってくれたことに感謝しています。例えば、彼女からは「こうしたらこうなる」という展望や目標が欲しいという意見を言われて、じゃあこうしようというようにしながら、創業時の苦労を共にしました。彼女にお給料を毎月支払わなくてはならないという自覚も、経営者としての大切な経験になっています。
─ 何がたいへんでしたか
人を育てることです。
人の教育はずっと課題です。今も人は足りていませんから、増やしたい。そのためにも人が育つ環境を作ることが大切で、今も意識的に取り組んでいます。そのことは従業員満足の向上にもつがっていると思います。
─ 育てることにこだわりがある様子ですが
一流に育てたいです。
もし仮に、うちを辞めて他に行ったときには「Wで経験を積んできたら間違いがないね、すごいね」と評価されたいし、ここで働いていたことに誇りを持って欲しいです。技術力は当然持っていて、社会人として当たり前のことができて、自分の意見がしっかり言えて、人に伝えられる。小さなことでも気づいて、自ら動ける人。それができる一流に育てたいと考えています。
─ 地元にこだわりがあるようですが、どんな会社を目指していますか
地元にも最先端の流行がある街にしたい。
美容の業界には、先端のファションや流行に敏感な人が集まります。働く人もお客さんも。ところが、地元にはそんな場所やお店がなかなかないから、流行にこだわる若い人は東京を志向します。私は、地元にも先端の流行がある街になればいいのにという思いがありました。いち早く流行を取り入れ、ここから情報発信できるようなサロンを目指しています。私のお店だけでなく、地元に広がっていくような働きかけができたら理想ですね。
─ どんな人を求めていますか
求めるというより、来てくれたら成長できます。
自発力が欲しいです。ただ、自発力を持った人をはじめから求めたりはしていません。ここに来たら自発力を引き出される、そんな場所にしたいです。私が幸せにしてあげるというと上から目線ですが、お店にはシングルマザーの従業員がいます。私は、その方の子どもに対しても影響力や責任を担っているとも思います。幸せにはいろいろありますが、第一にお客さんがつく人に育てることだと思います。お客さんがつくというのは人に求められるということで、人に求められることは働きがい、生き甲斐といった自信につながります。それが幸せに生きられる条件ではないでしょうか。
─ 資格がなくても応募できますか
そのためのトレーニングカリキュラムを用意しました。
資格や経験がなくてもやる気さえあれば、3か月でデビューできるカリキュラムを用意しています。地元で仕事をしたい、おしゃれが好き、美容を通じてお客様を喜ばせたい。動機は問いません。まずはうちに入ってチャレンジして欲しいと思います。一人ひとりに寄り添いながら、一流のネイリストやアイリストになれるように応援します。
インタビューを終えて
上野さんのはしゃぐように明るく元気な受け答えに女性らしさを感じました。それと同時に譲らない芯の強さも。楽観さとポジティブ志向は、先の見えない挑戦に欠かせない武器です。まずは踏み出してみる、一時は無謀に見えても、目の前の課題に逃げずに取り組んで行くことで形になっていくものだと感じたインタビューになりました。最後に、「やる気や興味があれば、とにかく飛び込んできて!私がなんとかする」と力強いメッセージで締めくくってくれました。
発行人:一般社団法人プレミア人財育成協会 代表理事 勝亦 敏