Vol.8 株式会社キャリアデザインセンター
株式会社キャリアデザインセンター
- 人事部のビジョン・ミッションを表すキーワード:「いい仕事、いい人生」、働く人のキャリアを実現する
- 社風・魅力を表すキーワード:個性の尊重、学歴や経験年数を問わない評価の仕組み
- 求める人材像に期待するキーワード:自分に素直で正直、強い意志・想い、オープンな姿勢
- 学生へのメッセージ:何かに打ち込む姿勢、自分の欲求に正直になること
人材開発局 部長(新卒採用・研修責任者) 櫻井 直人 氏
(株)キャリアデザインセンターは、企業と個人をマッチングする一部上場の人材サービス企業です。転職サイト・転職フェア・人材紹介・IT派遣・新卒採用支援など多種多様なサービスを展開し、中でも「エンジニア」「女性」「キャリア志向の高い人材」をターゲットにした人材サービスを売りにしています。西山部長に引き続き、今回は、櫻井部長に会社の魅力や仕事に対する想いなど幅広くお話を伺いました。
□事業と人事のミッションについて
働く人のキャリアを実現するための人材サービスを行っています。
事業は3つに大別できます。1つ目は転職サイトを通して情報提供しキャリアの選択肢を提供するメディア事業、2つ目は社員がエージェントとして関わることでキャリアの選択肢を提供する人材紹介事業、3つ目は派遣の仕事を探している方に派遣先を提供する人材派遣事業です
人材サービスとは、「この会社はどうですか?」と単に紹介する仕事ではありません。求職者が本質的にやりたいことに迫っていく。面談を通して、本当にやりたいことや実現したいことは何なのか、なぜその仕事なのか、なぜその会社なのか、掘り下げるような対話をします。対話を通して求職者本人がもともと考えていなかった選択肢を提案することもあります。求職者自身では気づかなかった本人の想いや価値観、知らなかった情報を提供できるというのが、弊社の社員が介在することの価値だと考えています。
「いい仕事、いい人生」が企業理念です。
ひとりでも多く求職者の方に、その人にとってのいい仕事を提供するのが我々の仕事です。社員の1人ひとりが、弊社にとっての商品になります。1つとして同じ仕事はなく、非常に難易度が高い仕事です。マニュアルがあるわけではなく、全ての仕事が、イチからお客様と関係構築をしヒアリングを通して最適な提案をしていく、とてもタフな仕事を繰り返します。ですから、お客様にとってのいい仕事を提供できるレベルの高い社員を採用し育てることが人事のミッションと考えています。
□社風・魅力について
会社の色に染めるというよりは、1人ひとりの意思とキャリアに向き合う企業文化です。
社員1人ひとりの意思を尊重するところが魅力です。その反面、会社がこうしなさい、ああしなさいという強い導きがあるわけではありません。例えば、ジョブローテーションや配置転換という形で会社から機会を提供するのではなく、自ら手を挙げて、自ら発信する。「自分のキャリアは自分でデザインする」というのが当社の社風です。会社に縛られるとか、会社にコントロールされるのではなく、自分で自分のキャリアの主導権を握っているということを大切に考えています。活発な人がいれば、着実に仕事を進める人もいます。現実主義の人がいれば、すごい野望を持っている人もいます。バラエティに富んだキャラクターや個性が溢れているからでしょう。個性はバラバラでいいと考えていますし、それを活かすことができる会社です。「動物園みたい」と表現する社員もいますね。社員1人ひとりのモチベーションや向かうベクトルは様々。だからこそ、自分は「何のために」「何に向かって」やっているのか、そこを強く求めたいです。
学歴や経験年数は関係なく成果を出せば評価される仕組みです。
平均年齢は約29歳。現在管理職の8割が20代、30代でとても若い会社と言えます。2013年に東証一部上場し、その後に入社した社員も多く入社5年以内の社員が多いです。「チャンスは平等にあるから成果を出してつかみ取る」という会社の方針なので、入社3年で管理職になる方もいます。がんばってもなかなか結果が出せず評価されない悔しさを味わうこともありますが、それをバネに成果を出せばしっかり評価する仕組みが整っています。
とにかく、出した成果に対して公正に評価すること、フェアであること、そしてそれがオープンであることを大事にしています。成績や昇進・昇格に関しては必ず社員に全てオープンにすることで、正当な競争を促しています。私自身も、就活当時はまだ将来のビジョンが見えていませんでした。だからこそ20代で早く成長したい、自分にとって明確なビジョンが見えたときに、すぐにトライできる力をつけておきたいと考えました。ですから、年齢に関わりなくチャンスに恵まれていたこと、若いうちにいろいろな業界の人と関われるところに魅力を感じてこの会社に入社を決めました。
数多くの失敗をして周囲に人一倍迷惑もかけてきたと思いますが、その都度自分と向き合い、結果を出し、チャンスを掴むという経験ができ入社して良かったと思います。仕事に対して真剣に向き合うことができたし自分のキャリアについてこれほど考える仕事は他にはなかったのではないかと思っています。
□求める人材像について
自分の欲求や実現したいものに対して素直で正直な方です。
「会社」というフィールドを使って、自分で自分のキャリアを実現して欲しい、そのために会社を使い倒して欲しい、という会社のスタンスです。何か1つでも、この会社を使って実現したいことや、叶えたいもの、を持っていて欲しいです。例えば、「稼ぎたい」でも良いし、「のし上がりたい」でも良いです。自己成長や社会貢献など漠然としていてもかまいません。とにかく自分なりの強い想いを持っていて、かつ、それを恥ずかしがらずにオープンにできる人が良いです。
採用面談では人材のプロとして学生と向き合います。
本当にうちの会社で良いのか、採用の場面では、弊社の社員が本気のキャリアカウセリングを、時には2時間ぐらいかけてしています。採用が叶わなくても、面談で本人の気持ちや考えをとことん掘り下げているので、結果的に次に向かう時も前向きになれます。社員には、採用担当である前に一人の人材のプロとして、キャリアのプロとして、目の前の学生さんに本気で向き合おう、と話しています。その学生さんにとって、CDCに入ることが最善でなければしっかりそのことを伝えたうえで他の選択肢を示すこと、その学生さんにとって一番良い決断ができるための面談にしなさい、と伝えています。
□具体的なケース
本当にキャリアデザインセンターに入るのが良いの?
昨年、私が面接を担当したある学生さんのケースなのですが、大学の体育会サッカー部で活躍する彼は、プロサッカー選手を目指していました。同時に、もしプロへの入団が適わなかった時への将来の不安から就職活動も行っていて、当社の面接を受けてくれていました。確かに人柄や非常に高いレベルで努力できるところは魅力で、志望度も高かったことを覚えています。一方、色々と話す中でサッカーへの想いがあまりにも強く、今就職活動や当社の選考を続けることが、本業(?)のサッカーへ支障をきたしていないのか?就職活動も、サッカーも、どちらも中途半端になっていないのか?というところを話し、最終的に、就職活動をやめてサッカーに打ち込むことを提案しました。彼にとって非常にリスクかもしれないですが、それでどうしてもダメだった場合、弊社も人材会社ですし、僕は個人的に応援したいと思ったので、もし就職したくなったら連絡しておいで、と伝えて面接を終えました。もはや面接ではないですね(笑)数ヶ月後、彼から直接連絡をもらい、無事Jリーグのチームから内定をもらいました、ということで今彼はJリーガーとして活躍しています。単に面接と思えば、「不合格」で終わったかもしれないですが、人材のプロである以上、それ以上の何かを提供したいな、とは常に思っています。こういうケースは、もちろん自社の社員にもそう対応したいと思っていて、社員がキャリアに迷ったとき、社内で叶えられるキャリア(昇進や異動などで実現できること)と、転職など他社で実現できることをしっかりと整理したうえで、その上で、当社でやれるポジションがあった場合に自ら手を挙げてつかみ取れるようなサポートを、人事としてやっていきたいと日々思っています
□学生へのエール
こう思われたい、ではなく自分の欲求に素直になって欲しい。
就職活動になると、どうしても「どう答えたらいいですか?」「こう答えた方がいいですか?」と、相手からの見られ方を気にしすぎる方は非常に多いと思います。ただ、仮にそうやって偽って入ったとすると、人生の多くの時間を費やす会社で偽りの姿で過ごすことになります。せっかく、同じ「働く」という時間を過ごすのであれば、自分らしく、自分に素直にいられる環境にいる方がずっと楽で、圧倒的に成果に繋がる、と私は思います。
だからこそ、面接の場では相手に合わせるのではなく自分の欲求に素直になること。「自分はこれがしたい、こうなりたい」それが、もしその会社に受け入れられずに「不合格」になったとしたら、入社する前にわかってよかった、と思う方がいいし、最終的に自分を貫いた結果出会えた1社に入るほうが、圧倒的に幸せだと、私は思います。
発行人:一般社団法人プレミア人財育成協会 代表理事 勝亦 敏